ルース・M・グルーベル先生の「Why I love Kobe」を聴いて。

少し前の話になりますが、7月下旬に開催された「第110回関西学院同窓会神戸支部総会」へ参加してきました。SALAにはたくさんの関西学院関係のお客さまが来てくださるのですが、その中の同窓会神戸支部の方にお声かけいただき、記念すべき節目の第110回の集まりに参加することができました。正直なところ、今までこのような集まりがあることを知らずに過ごしていました。お店の営業時間の関係で、少ししか参加できませんでしたが、とても貴重な時間を過ごすことができました。お声かけいただいたS様には感謝の気持ちでいっぱいです。

短い滞在時間の中でも、ルース・M・グルーベル先生の「Why I love Kobe」の講演がとても興味深く、素晴らしかったです。シンプルに先生が神戸に「惚れている理由」を語られるのですが、その話のすべてが、神戸の歴史に深く関わる話でとても勉強になりました。私自身、神戸に幼少期から住みながらも知らないことがたくさんありました。

私にとって、外国の方が街を歩いていたり、様々な宗教や文化を象徴する建築物が周りにいくつもあったり、

 

 

いろんな国のレストランがあったり、いろんな国の食材が並んでいるお店があったり…先生の話を聞きながらよくよく考えると、これはかなり神戸ならではの街並み(歴史によって創られた)である、ということを改めて感じることができました。

昔、神戸には「内外人雑居地」という場所が存在していたそうです。居留地とは違い、「外国人が日本人と雑居することを認められた一定の地域」です。

この「内外人雑居地」では日本人と外国人が共に生活し、共に働き、共に何かを創り上げていった場所だった、という話でした。

今では様々な国の人たちと同じ街で働き、生活し、なにかを創り上げることは珍しくはありません。

しかし、雑居地が生まれた明治初期、日本人と外国人が共生することが現代のように容易ではなかったということは、想像に難くありません。

 

SALAでも様々な国籍のスタッフが共に働き、お店を創り上げるということが日常で行われています。

スタッフ間で言語や文化の違いはありますが、その障壁を乗り越える方法は、きっと「内外人雑居地」に住んでいた方々がしてきたそれと一緒だったのではないかと思います。

「ただ仲良くすること」が全てではないと私はいつも考えます。相手に興味を持ち、相手の文化を知ろうと思い、認める(受け入れる)こと。そうして互いに歩み寄りながら、一緒に新しいもの(価値、文化)を創造することが重要であり、自分や互いの価値を高め合うことができるのではないかと思います。

神戸の街は、そうしたプロセスにより生み出された新しい価値や文化が積み重なって創られていった素晴らしい街だと再認識しました。

偶然にも、そんな街で私は育ち、SALAが存在していることは、ちょっとした奇跡なのでは・・・と感じながら、ひとりで「ふむふむ」といいながら先生の講演を聴いていました。

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黒田尚子

神戸アジアン食堂バルSALA店長。

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