この写真はタイの船の上でした。そう、このときもぼんやり考えていました。今や当たり前の資金調達法となった、クラウドファンディング。
開業時、リスクや資金的な面から何度も手法として考えたことです。
でも、想いばかりが先行し、実態のない開業時ではなんだかしっくりこなかったんです。
社会から金銭的な支援を募る、支援者を可視化するって、どういうことなんだろう?
その人達に対して、私たちはどんな責任があるんだろう?そもそも、明確な目的はなんなのか?
オープン当初、有効な資金調達の手段のはずなのに、そんなことを考えてしまいチャレンジできずにいました。
大学時代に仲間たちと作った学生団体。「支援するーされるを越えて在日アジア人女性の雇用の場、エンパワメントの場を互いに創る」との想いで活動を始めて想い続けて、想いを守ってくれる仲間がいて今日まで。10年以上の月日が流れました。
そして父親も一緒にSALAをオープンしてからは2年と数ヶ月。
学生の頃からの応援団も含め、今のSALAには、応援してくれるファンの皆さんがたくさんいます。
そんな皆さんのおかげでようやく思い描いていた社会に近づける小さな土台ができたのでは、とも感じています。
ありがたいことにSALAはメディアにもたくさん取り上げていただき、広く社会で興味を持ってくださる方が増えたのも事実ですが、「社会起業」「20代女性起業」の側面など「社会がこうだったら素敵だと願う姿」に沿って華やかできらびやに取り上げられすぎます。「すごくうまくいってるじゃないの!」「すごいね〜」「がんばってね〜」と声をかけていただくんです。でもその度にいやいやまだまだと何度も答えてきましたし正直な想いです。
皆さんが思う華やかな側面とは裏腹に実際に私達の夢の実現へ向けての毎日は泥臭く、地味で地道な毎日。金銭的にも開業時から自力でやってきたイチ企業としての産みの苦しみは想像を絶します。
でも、誰にもまねできないかけがえのない日々を送っているのも事実です。
0から1のものを創る、想いを形にすることは並大抵のことではないということは、私が大学1年生のときから痛感し、お店をオープンするときも覚悟はしていましたが実際店舗を構えながらやっていくことは精神的にも金銭的にも想像以上に大変でした。
なんせシェフが昼も夜も入れ替わるわけですから、(料理も調味料も変わる!)、ビジネスとしては効率も良くないし、いろんな面で難しいことがてんこ盛りです。でも、そんなSALAだからこそ、関心を示して楽しんでくださる方がたくさんいらっしゃいますし、何よりもスタッフが
仕事としての責任を持ちながらお客さんと接することで自信をもちエンパワメントされ、社会との濃い接点を自らのきっかけで持つことができる場であるということは何にもかえがたい価値であると思っています。またそこから生まれ、拡がる彼女たちの夢も。
ただでさえ経営することが年々厳しくなっている飲食業界、それ以上に「在日アジア人女性の雇用の場、エンパワメントの場を創る」ということは私たちにとって大きなチャレンジであり、大きな希望です。
SALAが思い描く社会、「Empowerment of all people」
SALAが一つのきっかけとして、エンパワメントの連鎖が起こる社会。
私たちだけじゃなく、社会として、一体どれほどの人々が願い、本気で実現できると思い描いてくれてるのか。
私達が感じている社会の問題点とその解決法に、どれほどの人々が関心を示してくれているのか。
お店に足を運んで応援してくださる方、遠方からエールを送ってくれる方、様々な支えがあるからこそSALAは夢の実現へむけて走り続けていられるのです。そして、その夢を実現するための小さな土台ができた今、みなさんの「応援したい」「実現したい」という願いや想いを一つにして、私達もさらに加速していきたいと思っています。
今のSALAだからこそできること、そのひとつにクラウドファンディングという手法があるのではないか、と改めて考えた次第です。
もっと素直に「助けて!」「応援して!」「一緒に!」の声をSALAとして、クラウドファンディングで呼びかけたいと思います。
詳細は近日公開です。

黒田尚子

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