花生捲冰淇淋(フアシェンジュエン・ビンチーリン)再現への道のり6〜カンナで削る技編〜
▶一番難しかった皮のレシピも焼きの技術も取得した!

そのあとは、ピーナッツと麦芽糖の固まりをカンナで削る技術。

私が削ると、どうも台湾でみたときよりもパウダーっぽくて、粉を削るにも時間がかかっているような気がしていました。でも削るだけだし、こっちはあとで研究しよう!と思って軽くみていたのですが、皮が完成し、試食していただく中でこの粉の「存在感」の重要性をひしひしと感じています。

誰もが香ばしくて香りが立ってなんか懐かしくておいしい、という感想を残します。ということは食感だったり量だったり、ここにもこだわりをもっと持つべきなのではと考え直しました。

台湾で食べたときはもっとふわっと削ったものにもつらなりがあったような。荒かったような。

今、自分がなんちゃってで削ったもの、台湾での記憶とは違うんです。

先日台湾からJessicaたちが来てくれたときに、このピーナッツの粉をもっと粗くするにはどうしたらいいかな?と相談するとyoutubeでかんなの調整の仕方をみてくれて歯と木の間のスペースを広くするべきなのでは?という考えになりました。スペースを広くしてやってみるのですが、削れるものはあらすぎて、表面もガタガタになってしまい、なんか違う?これは大工さんに相談したほうがいいよ!と言われました。

Jessicaたちが帰った翌日、この謎を解明するためにも一刻を争うという気持ちの中で、「大工さんに電話して!」と、SALAのPAPAの親友である大工さん(SALAの店舗の工事もしてくださった)方に電話してもらいお話をすると、なんと、その日に「なんも持ってないけどトンカチはあるか?今から行く!」といってアイドルタイムに早速SALAに来てくださりました。

「かんなで木以外削ったことないわ!」

と言いながらも、私がしたいことを一所懸命聞いてくださり、それを実現しようと知恵を絞ってくださいました。

すると、またまた180度違う職人の意見が…

「かんなはスペースを広くして削るもんじゃない、そしたらカンナである意味がない。真っ直ぐなものを薄く削る、これがカンナや」

ということでスペースを狭くする調整をされました。

内心、荒くしたいからスペースを開ける調整をしてほしい、という気持ちもあったのですが、職人さんの考えてらっしゃることはきっと私の想像を遥かに超える経験の中での発想なのだ、と思い、調整いただき、削っていただくと

粉につらなりがあり、かつ粗い!

しかも、私が1往復するよりも遥かに削れる量が多い。でもものすごく力を入れられているような…

「まずはカンナの仕組みを理解すること」

そこから説明いただき、そもそもこのピーナッツの固まりの表面が平らではない、ところから。なるべく刃と木のスペースを狭くして削る技術で粗く(連なりをもたらす)することができるということ、カンナの持ち方、力の入れ方、削り方、さらにはお手入れ方法などを細かく教えていただきました。

すべては削る対象のもの(なるべく平であること)削る技術(力の入れ方など)の問題でした。

そもそもカンナの手の添え方自体も私は逆でした…

削る対象であるピーナッツの塊の表面がより平らである必要がある

「この表面がピカピカになればもっと削れる感触があるで」

たしかに、ここにきて台湾での記憶が蘇るのです。台湾の屋台で削っていたピーナッツの塊はたしかにピカピカひかっていた…答え合わせをしているような。原理、意味を理解して初めて自分の中に腑に落ちるのです。

あなどるなかれ、職人さんの技はすごい!

木であろうがピーナッツの塊であろうが、削り方の技術でこんなにも変わってしまうものなのか、というほど度肝を抜かれてしまいました。

職人さんが削るときの音は台湾の屋台で聞いた音と同じ。しかも、原理を理解した今、台湾の人がめっちゃ力入れながら削ってた意味も理解できました。

私も練習しまくって、信じられないくらいピーナッツの固まりが小さくなってしまいましたが、そのコツと技術は掴むことできました。

本当に商品化までもうあと一歩!

自分のたった30年の経験の中での考えや発想なんてくそくらえ!と思う毎日です。