ワスカーンが納得のいく「カオソーイ」までの道のり
SALAがオープン(2016年7月15日)してからタイ人シェフワスカーンさんが努力に努力を重ねたどり着いた究極のメニュー「カオソーイ」。始まったばかりの頃はたくさんのお客さまの声に左右され、自分の味がわからなくなっていた時期がありました。でも、あるときからワスカーンさんは悩むことをやめました。ある意味での突き抜けた「自分の味」を決めきり、その味をブレずに毎回再現させることにこだわり始めたのです。そこからワスカーンさんのノートには秘密の彼女だけのぶれないレシピができました。
オープンしたころは1日1杯もカオソーイがでないことだってありました
ワスカーンさん「わたしのカオソーイまずいかな?」
黒田「本当においしいんだから。まだみんなが知らないだけだよ」
ワスカーンさん「いろがきいろいからかな・・・」
そんな会話が何度も続きました。いつも新しいメニューをはじめる時はエスニックという特徴上、カタカナが多く得体の知れないメニューは避けられがちでした。
でも少しづつ、本当に少しづつお店の常連さんが増え、こちらからおすすめさせていただく機会が増えていくとこんな瞬間が生まれます。
「よし、チャレンジしてみよう!」
そう言ってお客さんが食べたことのないメニューにチャレンジして下さる。すると、
「おいしい!!」
その味を好きになってくれる。そしてまたそんな姿を見た他のおきゃくさんが
「あの人がたべているメニューを下さい」
といって日替わりメニューを注文する。
おいしかったとファンになり、また来店してくださる。次はお友達や職場の人を連れてきてくれる。そうやって「得体の知れないメニュー」がワスカーンさんやSALAだけでなく
お客さん自身が「私が紹介したいおいしい料理」に変わっていく。
ぐるぐるまわってまわってつながる地道な道のりです。
そうやって、タイの文化がまたひとつ、ワスカーンさんの想いと料理を通じて伝わっていくのです。
だからこそ、お店がお客さんで溢れてくると「自分のカオソーイの味は間違っていない!」とワスカーンさんも自信を持ってブレずにそのメニューをひたすら極めていくことができたのです。
いまではSALAの人気メニューのひとつ。まだ驚くほどの行列はできたことはないけど、
カオソーイが食べたくて走ってくるお客さんがいらっしゃいます。
ワスカーンさんと私の3月の目標は日替わりを目当てにしてくれるお客さんで行列をつくること。
ワスカーンさんの「カオソーイ」のスープの秘密
スープの秘密は・・・・もちろん、お教えすることはできません。でも、ワスカーンさんのカオソーイのこだわりポイントはお伝えすることはできます!ペーストから完璧に手作りなのですが、とある野菜や大量のウコン、生姜が使用されています。骨から丁寧にとった出汁もポイントですね。だからSALAカオソーイのスープを飲み干すと身体の芯からポカポカするような感覚になられた方も多いのではないでしょうか。SALAではココナッツミルクを惜しまず使用していることもひとつのポイントです。
カオソーイとは、タイ北部”チェンマイ”の名物麺料理です。タイ料理でありながら、ミャンマーや中国雲南省の影響を強く受けています。その為かタイの強烈な辛さでは無く、日本人に馴染みやすい味です。特長はココナッツミルクをふんだんに使ったカレースープ。麺はバミー(卵麺)で、カレーペーストはレッドカレーが主流です。トッピングとして乗っているバミーの揚げ麺が面白い料理です。
コメント