Welcome back Cecil!
先日、SALAのコンセプトを壁に描いてくれたCecilが2年と数ヶ月ぶりにSALAへやってきました。今回彼女は笹川平和財団さんの「国際移住労働と市民社会の役割」招聘プログラムの関係で日本へ来日、短い間でしたが貴重な時間を使いSALAへ足を運んでくれました。
2016年7月SALAがオープンする前、フィリピンからCecilに来てもらい大きなまっしろの壁に私達の想い、cecilの想いを重ねて描いてもらったこの絵は今日に至るまで様々な人の心を大きく動かしてくれています。
国籍も関係なく、男性も女性も、子供も妊婦さんも、それぞれがそれぞれのお互いの価値を認め合い、自分の価値も認められる社会に。この絵は皆がエンパワーされていきいきと暮らしている姿を現しています。
”Empower”Cecil and SALA.
Cecilと出会い、約2年半。SALAのコンセプトを描いてもらってオープンしたあの日からいままで、私達、私達の周りや社会にはどんな変化があっただろう、そう考えます。CecilはフィリピンでBatis AWARE(Association of Women in Action for rights and Empowerment)の活動はもちろん、昨年2017年にはEmpowerment Through Art(移住労働を経験した女性たちやその子供たちのエンパワメント活動)を立ち上げ、その後はなんとフィリピン大学に入学、改めて絵画を勉強しているといいます。日々躍進を続けるCecilを日本からではありますが見ていると、私もいつも頑張らねば、と身が引きしまると同時に、形として足跡を残していきかつ前に進み続けるエンパワーされたCecilが本当に輝いていることが誇らしいです。
そうやってフィリピンにいる身近な仲間を照らながらも、自分の絵を通して世界の人にさらなる輝きを届け、また日本にいる私にまでその輝きが確実に届いていること、それって本当にすごいこと、尊敬できることだと思っています。
私たちSALAはというと、父親、スタッフみんなでSALAのコンセプトを体現すべく日々の営業、ビジネスのあり方に試行錯誤しながらも、想いを「伝える」ことの大切さからは目をそむけられず、できる限りSALAのコンセプトを社会に対して伝える機会をいただきながら「伝える」ことも続けています。中でも、昨年末にTEDxKobeのスピーカーとしてコンセプトをスピーチさせていただいたとき、改めて「エンパワーメントとは?」「実現したい社会とは?」言葉にするという経験を経て、今までよりもより多くの人にその想いが伝わり、加速する機会だったと思います。もちろんそこにはCecilの絵がありました。※デッサンはCecilがそれを見て書いてくれた私の宝物。
Empowerment of Cecil’s daughter.
先日、Cecilとこんな話をしました。CecilはSALAでコンセプトの絵を壁に書いたあの日から、それが拡がりを見せていくことで大きく自身がエンパワーされたこと。だから今こんなことをしてるんだよという話。そして、エンパワーされてるんだからまず、自分の一番身近な子供をエンパワーしたいという気持ちになったということ、そして最近、13歳の娘が絵を書くことは苦手なんだけど「言葉」がたくさん頭に浮かぶんだ、という話を聞いて、じゃぁ一緒に詩を書こうと提案し、その詩を自分たちの家で印刷、製本して本にしてしまったこと(うすい白い紙に印刷した簡易なものですが、それはたしかに形としては本なのです)。形にしたことで彼女の作品がこれから拡がっていくんだと思います。娘はそれでエンパワーされたんだという話をしてました。 実際、形になっているからその本を今私は日本で読んでいます。
エンパワーメントの連鎖
※「エンパワーメントの連鎖」英語でこれをどう表現するのか?という疑問は残ります。どなたかいい言葉はありませんか?
SALAがコンセプトとしていることは「Empowerment of all people」です。それはSALAが店の形態で体現していくことももちろんですが、CecilやSALAのスタッフたちのように、エンパワーされた人が輝き、更に他の人を照らし、その人も輝きたいと思えること。それが社会で連鎖し、世界にも連鎖し、「Empowerment of all people」の世界になること。それが願いです。人の根源は光だと私自身はいつも思います。だから私もいつもその光を受けています。その光を引き出すことや光を強くさせること、それがSALAという場でありたいです。
Batis-AWARE (Association of Women in Action for Rights and Empowerment) • Philippines
Cecille Pauline Sanglap Montenegro is a self-taught Filipino artist, book illustrator and migrant women and children’s rights activist. Cecille was born in Iloilo City, Philippines. She studied two years of Fine Arts with a major in Interior Design at the University of the East Caloocan. From 2000 to 2010, she started to work as an OPA (Overseas Performing Artist) in Japan. Returning to the Philippines for good was the best decision of her life. In 2014, she started to paint again and started YLLANG artworks. She uses painting as her meditation and relaxation, to paint what’s on her mind and heart. She became interested in women and children’s empowerment concepts, as most of her works are about women and her inspiration are the women in the organization and her family. Since 2015, she has lead Batis AWARE (Association of Women in Action for Rights and Empowerment) as the President of the organization. In 2016, Cecille had her first exhibition in Motomachi, Kobe, Japan, a mural entitled “Empowerment of all People,” as an advocacy art for the migrants living in Japan. Today, some of her paintings are displayed at SALA Asian Shokudo in Kobe, Japan. She is a registered book illustrator, designer, and layout artist in the NBDB (National Book Development Board).
(引用 VITAL VOICES)
Batis AWAREとは?
バティス・アウェア(Batis AWARE = Association of Women in Action for Rights and Empowerment、権利とエンパワーメントのために活動する女性組織)は、フィリピン人女性の権利と女性出稼ぎ労働者の保護を提唱している女性団体で、日比国際児を持つ女性たちから構成されています。女性たちの多くは、日本人の夫やパートナーとの関係がうまくいかず、更には、その多くが、日本でエンターテイナーとして働く中で辛い経験をしました。彼女たちは日本人男性の妻として、家庭放棄やドメスティック・バイオレンスのような様々な形態による色々な段階にわたる暴力を、またエンターテイナーとして、違法な労働勧誘、人身取引、雇用主や客などからの搾取や虐待を経験してきました。
1980年代に入り、同じような形態での暴力や虐待、そしてそれ以外でのフィリピン人女性の痛ましい経験が増えるにつれて、女性のエンパワーメントや再統合の必要性が明らかになりました。再統合(reintegration)とは、帰国した女性出稼ぎ労働者が、フィリピンで彼女たちの家族やコミュニティの中に、もう一度統合していくための準備をする過程のことです。一方エンパワーメント(empowerment)は、女性たちが痛ましい経験を乗り越えるためのパワーの感覚と能力を身につけ、自分の人生を自分でコントロールできるようになる過程を意味します。例としては、人生や暮らしについてより多く学んでいくためのはじめの一歩を勇敢に踏み出すこと、人生における数々の挑戦を自信を持って経験していくこと、十分な説明を受けよく考えた上で意思決定に参加すること、そして得られるスキルと資源を有効に活用することを学ぶことが挙げられます。バティス・アウェアのメンバーは、バティス女性センターのクライエントとして、エンパワーメントの旅路を歩み始めました。同じような経験を乗り越えてきたことで、女性たちはお互いにより強い結びつきを築いていきました。多くの活動によって、15人を超す女性たちは寄り添い、経験を分かち合い、友情を深めていきました。そして彼女たちはエンパワーされました。こうしてバティス・アウェアは、女性移住労働者、特に日本から帰国した女性たちと、彼女たちと日本人男性との間に生まれた子どもたちの権利と福祉を促進するために、1996年6月に創設されました。バティス・アウェアは、回復途上にある、あるいは片親としての責務を遂行する、同じような境遇の女性たちへ支援を提供すること、とりわけ海外で働く、または家族を持つことを強いられる女性の状況や、特に日本における出稼ぎ労働のリスクと実態を、一般の人々に知らせていくことを目指しています。現在、バティス・アウェアは、日本に限らず中東や東南アジアから帰国した、苦しい状況にある多くの女性出稼ぎ労働者に対しても、思いやりの手を差し伸べています。
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